低印圧の印刷とは?~1印圧と膜厚の関係

はじめに
「低印圧で高精度なスクリーン印刷!」
創業以来、マイクロ・テック株式会社はずっとこれを自社設備の特徴として謳ってきました。
とにかく!とにかく!「低印圧!高精度!」と、展示会でもお客様訪問時もテスト印刷時も熱くアピールするも、
「高精度は分かりますが、低印圧って何ですか?」
との疑問をよくお客様からいただき、より分かりやすく説明出来る資料が必要だということで、当記事の執筆を行うことになりました。
テーマは、「低印圧の印刷とは?」について。
スキマ時間にサッと読めるよう、短篇で、数回に分けてお届け致します!
ゆるりと更新をしていきますが、何卒宜しくお願い致します。
1「印圧」とは?
スクリーン印刷というのは、その名の通り「印刷工程」の一つです。
こちらの記事にもありますように、

スクリーン印刷機
スキージ平行調整の仕方
スクリーン印刷は:
①スクレッパを使ってスクリーン版にペーストをコーティング後、
②スキージ下降圧を掛けながらスキージング(余分なペーストを掻き取る程度の圧力)、
③パターン目にペーストを通過させ、ワークに転写する
といったステップに分けられます。
ここでの「ペーストをワークに転写する」ことが「印刷」であり、これには「スキージ」が不可欠です。

マイクロスキージ
適正印圧印刷プロセスの実践に
最適のスキージです
スキージは印刷時、圧がかけられスクリーン版を押し込みます(ペーストが掻き取られる程度)。
この「スキージ圧」が「ペーストをワークに転写する」圧であり、印刷の圧、「印圧」なのです。
よって、「印圧」がスクリーン印刷において如何に重要かが分かります。
2印圧と膜厚の関係
さて、スクリーン印刷において、「膜厚」を気にされる方が多いと思います。
「膜厚」は簡単に説明しますと、塗布される「ペーストの厚み」です。
先程説明しましたように、スクリーン印刷は:
①スクレッパを使ってスクリーン版にペーストをコーティング後、
②スキージ下降圧を掛けながらスキージング(余分なペーストを掻き取る程度の圧力)、
③パターン目にペーストを通過させ、ワークに転写する
ことですから、必然と「スキージで掻き取るペーストの量が多ければ多い程、膜厚(ペーストの厚み)も薄くなる」ことになります。
ですが、マイクロ・テックではこの「印圧を多くかけて膜厚が薄くなる」手法に対し、「圧をかけ過ぎなのでは」という観点を持っています。
印刷する為にダウンストップ量を設定し押込み量を増やし「膜厚が薄くなる」手法は、スキージ圧がかかり過ぎなのです。
高い印圧をかけてしまうと、スクリーン版が伸びて寸法精度が悪くなります。
また、版へのダメージも多くなり、スクリーン版やスキージの寿命を短くします。
よって、可能であれば、やはり低印圧で印刷したいもの。
マイクロ・テックはこの「低印圧印刷」を重視しており、低印圧でも狙った膜厚を出せるようスクリーン印刷に「ゼロ点」を取り入れております。
「ゼロ点」については、次回の記事でご説明致します!
(つづく)
この記事に登場した製品

マイクロスキージ
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