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スクリーン印刷とは

スクリーン印刷入門編

紙が発見される前、人類は粘土質を液状にした物や植物を磨り潰し液状にした物を材料とし、平らな岩などに絵や文字を描いていました。紙が発明されたのは定説では105年、中国の後漢の時代に蔡倫(さいりん)が発明したとされていますが、前漢の時代の遺跡から紙が発見された事で定かではないようです。印刷が行われたのは7世紀ごろで木版印刷が最初の印刷だそうです。

先ずは『印刷とは何か?』から理解してみましょう!
印刷とは紙などの媒体に文字や絵などを刷り出す事を指します。今では当たり前の様に写真なども印刷する時代になり、2次元に限らず曲面や複雑な3次元の媒体にも印刷する時代になりました。

印刷に用いられる版には大きく分けて4種類あります。

凸版印刷

別名で活版印刷とも呼びます。簡単に言うと印鑑や版画などの事です。凸版部にインクを付けて転写する印刷を凸版と呼びます。

凹版印刷

別名でグラビア印刷と呼び、凸版とは逆に凹部にインクを付けて転写します。

平版印刷

別名でオフセット印刷と呼び、金属板に特殊な樹脂を薄く塗り、印刷したい部分にフィルムを貼り付け光を転写します。その部分にインクを付けて一度ゴムローラーにインクを転写します。そしてそのローラーを紙に転写します。

孔版印刷

別名でガリ版印刷と呼び、昔に流行った『プリントごっこ』です。版となる布状(昔はシルク印刷)の部分に印刷したい部分に穴を開けローラーやスキージでインクを掻き取り穴の部分からインクを転写します。

スクリーン印刷とは?

スクリーン版を使用した印刷工法のことです。スクリーン版はステンレスやポリエステル等の繊維を格子状に織って出来ています。テニスやバドミントンの網(ガット)を想像すると分かりやすいかもしれません。
スクリーン版の網目にペースト(機能性の材料)を通過させ、ワーク(対象物)へ転写する「孔版印刷」に分類されます。

スクリーン印刷の現状

看板やTシャツなどの文字や絵柄の印刷、また電子機器に対しての配線の印刷まで多岐にわたります。
特にプリンテッドエレクトロニクスと言われる技術が注目を浴びる中、高生産性、低コスト、低環境負荷の観点からも、さらに需要が高まっている工法です。
プリンテッドエレクトロニクスとは、印刷技術を使用して電気回路などを形成することを指します。
身の回りにある電子機器、皆さんが使っているスマートフォンの内部にある細かい部品(センサ、基盤など)にも印刷技術が使用されています。

スクリーン印刷実践編

より良いスクリーン印刷を行う為の、3つの適正条件

より良いスクリーン印刷を行う為の、3つの適正条件
POINT01

ペーストの最適条件化が重要

POINT02

スクリーンマスク仕様の適正化

POINT03

スクリーン印刷機による印刷条件の適正化

スクリーン印刷を行う

スクリーン印刷を行うには、ペースト、スクリーン及び、スクリーン印刷機が必要です。それぞれの一般的な仕様は下記の様になっております

ペースト

種類、フィラー、樹脂、溶剤、添加剤などの割合、粘度

スクリーン

紗の素材、テンション、紗張り種類、版枠強度、バイアス

スクリーン印刷機

スキージ種類・硬度、アタック角度、クリアランス、スキージ・スクレッパスピード、印圧

より良い印刷を行う

ペースト、スクリーン版、印刷機の3つがあればスクリーン印刷が可能です。しかし、それぞれの条件が最適化されていないと良い印刷が出来ません。
1番重要と言われるのはペーストです。水のように流動性が高すぎるものや、粘土のように流動性が低すぎるものはスクリーン印刷が困難です。
その次にスクリーン版の仕様適正化、最後に印刷機の条件適正化が求められます。

スクリーン印刷機のラインナップ

MT-320シリーズ

スクリーン印刷機
MT-320シリーズ

印刷エリア:150mm。コンパクトながら必要な機能はすべて持ち合わせたスクリーン印刷機です。印刷エリア150mm以下の小サイズの印刷に対応。研究開発用途にも最適です。

MT-650シリーズ

スクリーン印刷機
MT-650シリーズ

最大印刷面積:約250mm(版枠サイズ□550mm使用時)。信頼性はもとより、使い勝手にもこだわったスクリーン印刷機です。対応可能なオプションも豊富で、グリーンシートや、太陽電池用シリコンウエハなど、様々な基板に対応します。

MTP-1100シリーズ

スクリーン印刷機
MTP-1100シリーズ

最大印刷面積:約550mm(版枠サイズ□1100mm使用時)。 大型単体スクリーン印刷機です。大型機向けに剛性を高めつつ、大型でも操作性と品質を両立させたスクリーン印刷機です。

MTP-1300シリーズ

スクリーン印刷機
MTP-1300シリーズ

最大印刷面積:約750mm(版枠サイズ□1300mm使用時)。MTP-1300シリーズは、単体標準機の中ではもっとも大型のスクリーン印刷機です。MT-650シリーズ/MTP-1100シリーズと同様に、スキージヘッド駆動部とテーブル駆動部に オリジナルの機構を採用することで、大型でも精度を保つことが可能です。

曲面印刷機シリーズ

スクリーン印刷機
曲面印刷機シリーズ

車載用ディスプレイ、インストルメントパネル、エンブレム等、曲面基板への印刷対応機です。マイクロ・テック独自の機構により、単一凹面も凸面だけでなく、S字曲面へも自由自在に印刷します。

卓上スクリーン印刷機
LABTOP 38

研究室のドラフトに収まるほどのコンパクトなサイズなのに機械剛性、機械精度、印刷精度、全てがトップクラスの半自動印刷機。

マイクロ・テックの
5つの基本コンセプト

POINT01

オリジナル

マイクロスキージ

  • 安定したアタック角度で、ペースト吐出力を安定させます。
  • 低印圧方式と併用して、均一な印圧で印刷精度を向上させます。
マイクロスキージ
POINT02

オリジナル

垂直フロート型エアーバランス方式

  • 実印圧設定の印刷方式で、作業者の力量を問わず再現性よく印刷できます。
  • 適正印圧で印刷できます。
  • マイクロスキージと併用して、適正印刷条件が設定できます。
  • 高生産性:スクリーン版、スキージへの負担が少なく寿命が大幅に伸びます。
垂直フロート型エアーバランス方式
POINT03

印刷条件のデジタル設定が可能

印圧設定は、精密レギュレータとデジタル表示によりスキージ/スクレッパ/背圧を個別に設定できます。

印刷条件のデジタル設定が可能
POINT04

低振動

スキージ走行は、ACサーボモータとスチールベルト(PAT・P)の組み合わせで、低振動で直線性の高いリニアウェイ走行です。

低振動
POINT05

高剛性構造

必要以上に駆動箇所を増やさず、剛性の高い架台に4本の脚柱を立て印刷フレームを固定する構造としています。経年劣化による影響を最小限にし、印刷性を保持し続けます。

高剛性構造

スクリーン印刷の4つのメカニズム

スクリーン印刷を行う際に起きる4つの事象。

ローリング

ローリング・吐出

版離れ

版離れ・レベリング

適正な印刷をするための4つの条件

POINT01

アタック角度

アタック角度:大⇢ペーストの吐出力:小
アタック角度:小⇢ペーストの吐出力:大

POINT02

スキージ印圧

スキージ印圧

POINT03

クリアランス

スクリーン・基板・スキージ位置関係の模式図

版離れが悪い状態
理想的な版離れ状態
スクリーン真上から見た模式図

POINT04

スキージ速度

ペーストの粘度との関係(一例)

ペーストの粘度との関係

版離れとの関係

版離れとの関係

高精度印刷を実現する為のアイテム(まとめ)

  1. 1)適正クリアランス
  2. 2)早い版離れ:高テンション版使用
  3. 3)強度の高い版枠
  4. 4)適正な印圧
  5. 5)安定したスキージ走行性
  6. 6)印刷機の剛性と精度:
    テーブル、スキージ及び版の平行度
  7. 7)作業環境:温湿度管理による環境管理

用途・ご予算に応じ、
各種オプション・改造承っております。
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