スクリーン印刷後にまずしなければならないこと、それが版洗浄です。
しっかりと手入れされた版は印刷効果が良く、寿命も長く、安定して使用することが出来ます。
逆に、使用済みの版を長時間片付けずに放っておくと、版が傷ついてしまいます。
特に、ペーストが乾いてパターンの目を塞いでしまうので、早めに洗浄を行わないとパターンに欠けが生じてしまい、版自体が使い物にならなくなってしまうこともあります。
小さなスクリーン版を1枚調達するだけでも結構なお値段です、決して安い買い物ではありません。
印刷効果の向上のみならず、コストダウンの為にも、正しく版を洗浄することはとても重要なのです。
簡単に言いますと、版洗浄は
①溶剤を染み込ませたウエスを使って
②版のメッシュ・乳剤面にこびりついたペーストを洗い流し、且つ
③版に残留した溶剤を乾かす
作業のことです。
版洗浄に必要な備品は以下です:
①版洗浄溶剤
⇒ここでは環境対応低臭型スクリーン洗浄剤、「Washerman」を使います。
②IPA(イソプロピルアルコール・イソプロパノール)
⇒Washermanを置換させる為に使います。
③ウエス
⇒溶剤を染み込ませて、ペーストを拭き取る際に使います。
④スキージ
⇒ペーストを掻き取り、回収する際に使います。
⇒尖っているものを使ってスクリーン版に触れるとメッシュが破れて版が破損する恐れがあります。よって、スキージの端材等メッシュに優しいものを使います。
⑤エアガン
⇒溶剤を乾かす際に使います。
⑥耐溶剤性の手袋
⇒有害な溶剤やペーストから手を守ります。
こちらの版を使って、スクリーン版の洗浄法を紹介していきます。
中央にある灰色の物質は銀ペーストです。
★作業ポイント★
残留ペーストが多いと、再利用出来るはずのペーストも洗い落とされてしまい、とてももったいないです。
なるべく綺麗に回収しましょう!
ウエスがひたひたになるまで、溶剤をしっかり染み込ませましょう。
★作業ポイント★
目詰まりを防ぐ為、パターンの中を最初に拭きましょう!
パターン部がある程度綺麗になったら、外側も拭きます。
手の動きはこんな感じです。
※絶対に裏面を強くこすらないこと!!!
表面に滲み出たペーストは拭き取ります。
上記手順を繰り返し行い、版のパターン目からペーストが出なくなればOKです。
Washermanは乾きにくい為、揮発性のあるIPAで溶剤を飛ばします。
Step 4同様、まずはIPAをウエスにたっぷり染み込ませ、同手順で表面・裏面を拭きます。
裏面は擦らずに、軽く叩くように拭きます:
あくまでも軽く拭きとるだけです!
乳剤面は決して擦らないようにしましょう!(パターンが傷ついてしまう恐れがあります)
IPAは揮発性があるので、エアを吹き付けば綺麗に乾きます。
表面・裏面共にブローします。
パターンにペーストが残留していないか再度確認し、残留物がありましたら、再度Step2~Step7の作業を行います。
環境対応「低臭型スクリーン洗浄剤」
~Washerman~
PRTR法、ならびに労安法有機則に対応したスクリーン版洗浄溶剤です。
※発ガン性や生殖毒性の指摘等から、「特定化学物質」になった、エチルベンゼンを含みません。